名誉学校長からのメッセージ
戦後復興期から右肩上がりで続いてきた高度経済成長は、1990年代のいわゆるバブル期をピークとして大きな転換期を迎え、現在の低迷期「混沌」の時代に入ったままであります。
その結果、物質的豊かさを追い求めてきた反省から、こころの豊かさを求める時代に入ったようです。その象徴的な言葉が「癒し」であろうかと思います。
医学の世界にも、西洋医学の分析中心主義から転換し、人の体を精神的.総合的にみて治療する手法を取り入れようとする考え方が増えてまいりました。
そして、医師中心の医療から、患者中心の医療への転換であります。
そうした中で、病める人を中心に、医は仁術なりの精神を掲げ、約3000年もの永きに亘り実践医学として活躍してきた鍼灸医療が世界的に注目を集め、21世紀の医療体系の中でも重要な位置を占めるようになると思われます。
しかし、現在のままでは鍼灸医療も時代の流れに呑み込まれてしまい、その真価を十分に発揮することが難しい状況に追い込まれてしまうでしょう。
技の正しい伝承は当然のこととしても、常に古法の正しい検証と新しい知識やあらたな技法を追求する姿勢を持ち、科学的な原理を確立する必要があります。
鍼灸医療に携わる者は、等しくこの使命を負っていると言わざるを得ません。
本学は21世紀の始まりの記念すべき年に開学致しましたが、私達は常に医の原点を忘れることなく温故知新(古きをたずねて新しきを知る)を胸に本校の教育 を進めていき、加えて、21世紀の現代人の疲れを癒して活力を与え、病に苦しむ人々に回復への希望を与えられる鍼灸医療人の育成を目指す場所にしたいと 願っております。
古くて新しい鍼灸医学を真摯に学ぼうとする諸君の入学を心からお待ちしております。









